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再生医療を支える間葉系幹細胞【5】骨髄由来幹細胞

第14回目:再生医療を支える間葉系幹細胞【5】骨髄由来幹細胞

 

今回は骨髄血由来の幹細胞について解説していきます。

すでに本ブログでも紹介してきましたが、幹細胞の歴史は核開発の進展とともにあると言っても過言ではありません。
核爆発によって放射線を浴びたことによって血液障害等を招いた人体を治療するための研究が行われ、その過程で造血幹細胞という、つまりは骨髄の中で血球をつくり出すもとになっている幹細胞に辿り着くことになります。
したがって、骨髄由来の幹細胞の研究は1960年代には造血系を担う幹細胞として認知され、白血病患者に対する骨髄移植による治療が開始されていました。

そして研究が進む中でロシアの研究者が骨髄から、身体の骨格(筋肉,骨,軟骨,結合織等)を構成する細胞の元になる間葉系幹細胞を発見したと言われています。
このように、他の間葉系細胞よりも歴史が長い骨髄由来幹細胞による臨床効果の報告は当然多く、特に神経系の疾患については神経再生へ大きく貢献しています。

日本には脊髄損傷の患者が10万人以上いらっしゃり、毎年5,000人以上の患者が新たに発生しています。脊髄損傷を負った多くの患者はその後の人生を重い後遺症が残ったまま、
リハビリを行いながら過ごすことが多いと言われています。なかなか画期的な治療法がない中で札幌医科大学の研究グループが骨髄由来の間葉系細胞を使った治験を実施し、
2018年、国が設ける「先駆け審査指定制度」(再生医療等製品)の承認第1号として認められました。
その後、ヒト体性幹細胞加工製品「ステミラック注」として薬価基準収載が決定されますが、現在では国は臨床例の少なさから承認を取り消し、臨床試験に戻して有効性・安全性を確認するような状況のようです。

しかしながら、治療が非常に困難な疾患について着々と効果が認められつつある骨髄由来幹細胞は、これからも再生医療の可能性を広げてくれる存在であることは間違いないと思います。
とは言え、採取するという非常に困難な施術を行うことや、間葉系幹細胞の含有率が低いこと、さらには培養して増殖させるのが比較的に容易ではないため、貴重な存在と言えるでしょう。

 

 

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