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幹細胞とは何か?〈前編〉

幹細胞とは何か?

第1回目:幹細胞とは何か?〈前編〉

今や先進医療として世界的に大きな注目を浴びている「幹細胞」を用いた再生医療。

2012年、当時京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで「幹細胞」「再生医療」というキーワードが一般的に知られるようになりました。

すでにがんに対する免疫療法などに使用され、糖尿病や心疾患、肝臓、腎臓などの病気にも効果があり、近頃では美容医療でもアンチエイジング対策として利用されていますが、「幹細胞」の可能性はさらに大きく、現在でも最先端の医療として世界中の医療機関で研究・検証が続けられています。

今後「幹細胞」を使用した治療はさらに進化してゆく先進医療であるからこそ、本ブログを通して基本的なことから改めて理解を深めていただき、ぜひ患者様への対応にお役立てください。

 

 

幹細胞の2つの能力

■幹細胞の2つの能力

まず「幹細胞」の定義ですが、ヒトは精子と卵子が結びついた、たった1つの細胞である「受精卵」から始まります。この時の「受精卵」には、まだ「役割」が決まっておらず、細胞分裂を繰り返して、あるタイミングでそれぞれの細胞の役割が決まってきます。このまだ役割が決まっていない細胞のことを「幹細胞」と言います。

そして「幹細胞」は、次の2つの能力を持っています。

・分化能

・自己複製能

次に、その能力を説明します。

 

■分化能とは何か?

ある時期が来たとき、脳や心臓、肺、骨、筋肉、血管などの器官に特化し、その役割を果たすための細胞になることを「分化」と言います。

例えば、「心臓の細胞になれ」と命令を受けた細胞は、心臓の細胞になるための遺伝子を使って心臓を構成する細胞に変化します。このことが「分化能」と呼ばれる能力になります。

 

自己複製能とは何か?

■自己複製能とは何か?

自己複製能とは、ある1つの細胞とまったく同じ機能を持つ細胞に分裂することができる能力のことです。何度分裂を繰り返しても同じ特性をコピーとして残しておくことができます。

 

また、幹細胞が2つに分裂する仕方は2通りあります。

1つ目は、ある器官の特別な役割を持った細胞に分化し、もう1つは幹細胞のままで元の性質を維持する場合。

2つ目は、2つに分裂しても両方が幹細胞として元の幹細胞の性質を維持する場合。

 

このように幹細胞は分化能と自己複製能を使い、2通りのパターンで分裂と増殖を繰り返してヒトを形成していくことになります。

 

次回は「幹細胞とは何か?〈後編〉」として、幹細胞の種類や再生の期間、ヒト幹細胞について説明します。

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