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再生医療を支える間葉系幹細胞【1】

第10回目:再生医療を支える間葉系幹細胞【1】

人間の体は、生まれた時は約3兆個の細胞で形作られていると言われていますが、成人になると約60兆個の細胞で成り立っています(細胞の数値には諸説があります)。
このように細胞の数は成長とともに増加し、20歳で約60兆個をピークに徐々に減少し、40歳では約52兆個、60歳で約42兆個になると言われています。

細胞は20歳まで増え続けますが、幹細胞の数は年齢とともに減少していきます。
生まれた時の幹細胞は約60億個あると言われていますが、20歳では約10億個、40歳では約3億個、60歳では約1.5億個まで減っていきます。
中でも再生医療に重要な間葉系幹細胞の割合は年を取るとともにさらに減少します。
生まれた時は約60億個(100%)、10代では約6億個(10%)、30代では約2.4億個(4%)、50代では約1.5億個(2.5%)、80代で約0.3億個(0.5%)といったように、急激な減少が認められています。

間葉系幹細胞は、人間の骨髄や脂肪、皮膚などさまざまな所にある多能性幹細胞であり、脂肪・骨・軟骨に分化する細胞ですが、肝細胞や神経細胞などの他の組織細胞にも分化することもできる貴重なものです。
これが加齢とともに大幅に減少することは残念な限りなのですが、それを止めることは現代医学ではできないため、間葉系肝細胞を抽出して培養して再生医療に活用しているということになります。
間葉系幹細胞を使った治療はすでに実用化していますが、その最初の臨床応用は火傷の治療でした。
1983年のアメリカ、マサチューセッツ工科大学(当時)のハワード・グリーンが、重度の火傷で入院してきた患者の、まだ健康な皮膚を培養してシート状にして移植。命を救うことに成功したのでした。
その後、1990年代に体性幹細胞の分離培養の技術は進歩していき、ES 細胞やiPS細胞の発見・開発に繋がっていったのでした。

まだその研究の歴史の浅く、しかしながら希望の星である間葉系幹細胞を次回以降も詳しく紹介していきます。

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